消費者庁は2月28日、通販サイトで商品を注文したユーザーが「欠品なのでPayPayで返金する」と説明され、返金手続きを求めたところ、逆に送金させられた、という相談が全国の消費者センターなどに寄せられているとして、サイトの実名を挙げて注意喚起しています。
問題のサイト名は「HKR市場店」(rdpgk.minimumrisk.shop)、「online store」(oggi.ayzgyonsale.shop/)などです。
比較的ニッチな商品や中古のスポーツ用品、販売価格が通常よりも大幅に安い高級ブランド品など販売していると表示し、「特定商取引法に関する表示、住所、電話番号」などすべて虚偽です。
これらのサイトで注文すると、確認メールが来て支払方法が案内されるが、「個人名義の銀行振込かプリペイド型電子マネーに限定されている」と言われます。
その後、「商品欠品のお詫びとご注文があります」などと欠品と返金を連絡するメールが届き、公式LINEを友だち追加するよう求められて、PayPayなどの電子決済で返金すると連絡を受けます。
消費者がPayPayなどのIDを伝えると、うまく返金できなかったと言われます。その後、LINEのビデオ通話で話がかかり「画面シェア」機能でスマートフォンの画面を共有することを求められます。
画面共有後、決済アプリの画面のタップなどの操作を求められ、「ID 4999と入力してください」など商品代金の数字とは異なる数字を入力するよう次々に操作を指示され、意図せず送金させられてしまいます。

消費者庁の注意喚起
通信販売サイトの返金手続を装い、〇〇ペイといったコード決済サービスを利用して、返金ではなく逆に送金させる事業者に関する注意喚起しています。
〇 注文しようとするサイトに不自然な点はありませんか。
本件サイトには、フィギュアなどのうち比較的ニッチな商品や中古スポーツ用
品、高級ブランド品といった一般的に消費者が購買意欲をかき立てられるような商品を販売するとしていた点に特徴がある一方、その手口には、下記のような過去の偽サイトの事例と共通した点もありました。
・商品価格が極端に安い
・支払方法が限定的
・日本語が不自然
・個人名の銀行口座に振込みを求める
欲しい商品が掲載されているサイトを見つけたとしても、極端に価格が安い場
合や初めて購入するサイトでは、運営元を当該サイト以外の情報も参考によく
チェックすることが重要です。
〇 スマホの操作を他人に委ねないでください。画面共有にも十分注意しましょう。
〇〇ペイは、買い物での支払のほか、アカウント同士で残高を「送る」こと及
び「受け取る」ことができるものがあります。その利便性の高さから利用者は多く、本件でも被害に遭った消費者の中には〇〇ペイを普段から利用している方もいました。しかし、悪意のある事業者は、消費者以上に〇〇ペイの利用方法等を熟知しています。
よく知らない相手に対して安易にスマートフォンの画面共有を許可することや、よく分からない指示に従って操作することは、スマートフォンの操作を他人に委ねるのと同じことになりますので、絶対にやめましょう。
〇 おや?と思ったら、相談しましょう。
〇〇ペイなどのコード決済サービス事業者は、疑わしい相手に送金をする際に
警告メッセージを出すなどの対策をしており、見知らぬ人とは送金などのやり取りをしないよう注意を呼びかけています。
もし、「○○ペイで返金処理するしかない」と言われても、その場では一旦断って、まずは家族や知人等誰かに相談しましょう。
また、少しでも変だなと思ったら、消費者ホットライン「188(いやや!)」番や警察相談専用電話「#9110」番に相談してください。
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